考えることと、行動すること。
行動することはとても大事なこと。
その証拠に「まずはやってみる」という内容がほとんどのビジネス書で書かれている。
目的次第ではあるだろうけど、現状を変えたかったり、効率を求めたり、隣の芝を見たくない場合などには、「やってみる」のはとても有効な手段だろう。
ここではそれらの目的を「自分を高めたい」という少しこそばゆい言葉に置き換えて、「やってみる」の重要性について想いを巡らせてみることにする。
「やってみる」というのは「あれこれ考えるよりも試してみよう」というニュアンスで語られることが多いと思うのだが、考えることと比較して、試す(行動する)ことってそんなにすばらしいことなんだろうか。ちょっと行動と考えの例をあげてみよう。
- 薬にも毒にもならないブログを書く(行動)
- みんなが関心のあるトピックについて、賛否両論ありそうな極論を思いついたが、だれかを傷つけそうなのでブログ記事にするのはやめた(考え)
かなり恣意的な2択にさせてもらったけど、どちらが自分を高められるだろうか。考えた内容というのは基本的には(顔などにでない限り)外の世界には出ていかない。
一方でブログ(文章)を書くと、一応はアウトプットができあがり、行動した結果が形として見えることで達成感もしくは満足感が得られる。
つまり行動と考えの違いは、アウトプットがあるかないかの違いで、アウトプットがないからダメってことでしょうか。いやいや。そんなことをいったら、アウトプットが出なかった行動は何もしなかったと同じになってしまう。まだモヤモヤしているので次の例を考えてみよう。
- あれこれ考える前にとにかく目の前のタスクを消化していった(行動)
- 朝の満員電車にて、頭の中だけで今日の仕事の予定を組み立てたり、忘れているタスクがないか考えてみた(考え)
両方とも結局は仕事を消化することになる場合に、行動が先か、検討が先かを比較する例になります。あれこれ考えなくてよい、ではなく、考えてばかりで行動できなくなくなってしまうのがよくない、ということが本質なのでこの例はいまいちかもしれませんが。
とにかくアウトプットの有無が行動のよさではないように思えます。
- 明日から旅行に行くので前々から欲しかった新しいカメラレンズを購入する(行動)
- 今持っているカメラレンズで代替できないのか、セールをやっている時期や店がないのか、自分の財政状況をよく検討して、今回は購入を見送る (考え)
どうせ買うなら、早い時期に買ったほうがたくさん楽しめる。でもなんでも欲しい時に無計画に買っていると将来の自分が苦しむような気がする。そんなことをいっていたら、欲しいものなど何も買えないかもしれない。
いろいろと意見があるだろうけど、「自分を高めたい」という目的に照らし合わせるとどうだろう。(そもそもカメラレンズは趣味を楽しむための道具だぜ)
購入した自分としなかった自分を比較した場合、当然差がつく。
購入したカメラレンズで今までとは全然違う素晴らしい旅行写真が撮れるようになるかもしれないし、こんなものかとがっかりした経験を得られるかもしれない。行動しなければわからないことは確かにある。
でも、その行動って本当になにも考えないで起こせた行動なんだろうか。
そんなことは絶対にない。反射的に起こしてしまう行動はあっても、行動するかどうか迷った時点で、行動するための思考が働いているのです。
そう、比較すべき対象は、(行動)と(考え)ではなくて、(行動+考え)と(考え)にすべきなのです。
ダラダラと書き出してみたのの、結論としては考えることと行動することは常にセットだという当たり障りのないところに落ち着くのです。
この毒にも薬にもならない文章も自分の頭の整理(考え)のために文章にしてみた(行動)ということになるのです。
となると、せっかく考えたことについて、行動もするって、やっぱりすごいなあと思うわけです。