傘について

Pocket

傘

傘は怖い。

先端恐怖症ってほどでもないけど、傘の先端が怖かったりする。特に階段で前を歩いている人が傘を水平にもっている場合、傘の先端が自分の目の前に来ることがある。とても恐ろしいことだ。

そして武器にもなる。さすがに大人なのでチャンバラ的な感じではないが、カツカツと地面やらを叩くことで威圧的な態度をとられると萎縮してしまう。

 

傘のせいで嫌な気持ちになる。

傘が濡れていると、その傘に触れることにより、自分が濡れてしまうこともある。

自分の傘で濡れてしまうのは、自分の責任なのであきらめもつくけど、他人の濡れた傘が自分に触れて濡れてしまった場合は何とも言えない気持ちになる。

満員電車などではしょうがない部分ももちろんあるんだけど、自分が濡れないがために、傘と自分の間に鞄でガードとかしている結果、他の人を濡らすことになってしまうような事例もある。

また傘についた水滴を払う際も、誰かにしぶきを飛ばして濡らしてしまう事もある。

さらには傘をさしている人同士が狭い通路ですれ違う場合に、相手の傘にぶつけてしまったり、傘をよけた結果、雨で濡れてしまったりもする。

(自分が傘を上に持ち上げるから、あなたは少し傘を下げてくれ的な駆け引きは案外おもしろかったりするのだけど。)

 

傘は荷物になる。

持つ分にはその形状ゆえに腕に引っかけたりできるが、置くとなると場所を選ぶ。

そして、傘の最大の問題がいつのまにか姿を消すということだ。いわゆる置き忘れである。

また、とても不思議なことではあるが、晴れている日に長傘を持ち歩くのは気恥ずかしい感じにもなる。

 

自分は、どちらかといえば、傘は好きじゃない。

かといって雨に濡れてもよいとも思わない。じゃあどうすればいいのか。合羽にすればよいのか。それでも多少濡れたり、荷物になってしまうことは避けられない。

少し頭を冷やそう。

もしかして自分は濡れる事を恐れすぎてはいないだろうか。

濡れてしまっても乾けば元通りなのではないか?風邪さえ気をつければ問題ないのではないか?気持ちだけの問題なのではないか?

とりあえず自分は他人をいやな気持ちにさせないように気を付けようと頑張ってみる。それで多少自分が濡れてしまっても笑っていられる奴になれたらいいと思う。

 

ただし、傘を水平にして階段を歩くのはダメだ。危険だ。へたしたら失明してしまう可能性だってあるのだ。

そういうシーンに出くわしてしまったら、自分の傘を武器に目の前の傘を払いのけたいくらいだ。(いやダメだ、闘いは憎しみしかうまない。)

水平に持っている人もその危険に気付いてくれたら、きっと持ち直してくれるはず。なので相手の傘に自分の傘がぶつかるようにしてみるといいかも。ぶつかったら相手はその危険に気付いてくれるはず。

 

雨はただの水だ。

いつもと違う、その天気を、楽しめるくらいの余裕を持つことが必要なのかもしれない。

新しい傘を買って、はやく雨が降らないかなと思った、あの頃くらいの気持ちの余裕を。いま。

Pocket