抱き枕を抱く

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ニトリ抱き枕

その男は、寝つきが悪い。

日に日に暑くなっていく気候のせいなのか、日々のストレスによるものなのかはわからないが、スッと寝付くことがあまりない。

そんな夜は上の階の騒音が気になる。トイレにもう一度行った方が良いかを真剣に悩む。スマホで観たくもない不幸なニュースで心を痛める。

GUの少しつっぱりがちなパジャマが気になる。牛乳を一口だけ飲みコップを洗うべきか悩む。明日の緊張する仕事内容を思い心を痛める。

とにかく寝れない時は寝れない。男は、そういえば、小さいころから寝れない夜は怖かった。これが原因でホームシックというか外泊できない時もあったくらいだ。

ということで、その男は、せっかくなので寝れるような対策を寝れない夜に考えてみることにした。

まずは気になる騒音というかノイズを除去する対策として、耳栓をしようとしてみた。しかし長時間だと耳がなんか痛い。朝もアラームで起きられなくなるのも不安だ。

そこで、ガジェット好きな男としては「BOSE NOISE-MASKING SLEEPBUDS ノイズマスキングイヤープラグ」を検討してみた。しかし値段が3万円程度と、高い。ノイズキャンセルではなくホワイトノイズだというのもがっかりだ。別の手段を考えることに。

次は、よりリラックスするために、桐灰化学の「あずきのチカラ」を購入してみた。これは電子レンジでチンすることにより、あずきの天然蒸気が発生し、目もとを温めてくれるのだ。繰り返し使えるし値段も高くないので直ぐに試してはみた。疲れ目には効果があるが、寝苦しい夜に暖かさは不向きだ。秋以降に活躍してくれることを期待して、男はそっと冬物の衣料とともにしまいこんだ。

なかなか良い快眠グッズには出会えないが、しかし、男には寝れない時間がたくさんある。色々調べていくうちにニトリのNクールという存在を知った。暑い夜には冷感シーツや掛けふとんがなかなか良いらしい。しかし男が最も気になったのは抱き枕とNクールまくらカバーの組み合わせだ。

抱き枕はいい。股の間に何かモノをぎゅっと挟むと落ち着くことを男は本能で知っている。

早速ニトリの実店舗で枕の柔らかさを確認し、Nクールのカバーとともに購入してきた。なかなか大きな荷物だったが、男にとってはかなり期待していたため気にならない。家に帰ると早速カバーを装着し、思ったよりも薄い生地だなと思いながらも期待に胸を膨らませて、布団にもぐりこんだ。

結果は、悪くない。寝つきがよくなったような気がするのだ。でも毎晩ってわけではない。寝れない夜はそれでもある。

寝れない時は抱き枕カバーの触り心地が気になる。確かに少しひんやりはするが、初めだけだ。それよりもゴワゴワしている肌触りが気になる。男は、抱き枕自体はとても気に入っていたので、抱き枕カバーだけ追加購入することにした。綿100%の肌触り重視のものだ。結果的にNクールのよりはしっかりとした生地で柔らかく触り心地が良かった。

抱き枕は良い。プロレスの技をかけるかの如く、ギュウっと締めても問題ない。邪魔になったら蹴っ飛ばして布団から追い出してしまえばいい。シンプルな形状で柔らかい素材なので、ポジションが決まらなくても色々と試行錯誤ができるのもいい。普通の高めの枕としても使えるのだ。

抱き枕はその男に合っていたようだ。カバーが2個あるのも、ヨダレや汗で汚れても直ぐ交換できると思えば案外悪くないと考えている。ニトリだからかコストもあまりかかっていない。しかし最適なソリューションかと問われると、男は即答できない。

その男は、時々寝れない夜を迎える。その都度、散財する計画を練っているのだ。

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