はじめてのおつかい with AirTag
子どもの見守りには向かないとされる、AirTag。
でもそろそろ一人でもお出かけしたくなる小学生(2年)の子どもに持たせたらどうなるかは気になるところです。
お稽古事くらいには持たせて行けるではないかと期待しています。
ただ、持ち主(AirTagを設定したiPhoneの持ち主)から離れると音が出るそうで、そうなると見守り用途には使えそうにありません。どのくらいの大きさの音かは分かりませんが、書道教室で変な電子音は鳴らしたくはありませんからね。
どのくらいの時間(あるいは距離)を離れたら、音が鳴るのかは、自分が調べた感じでは正確にはわかりません。
またAndroidユーザー(やスマートフォンを持っていない人)に対しては、ペアリングされたデバイスから一定時間離れると自動的に音を出して在処を知らせる仕様は石川温氏の記事でも言及がありました。今回の取材ではその補足として、現時点では「一定時間」とは3日間だと明かされています。
上記によると3日間らしいので、せいぜい数時間のお稽古事の間に離れたくらいでは音はならないのでしょうか。
ちなみに下記の記載を参考にすると、自分が子どもへAirTagを貸すことで、かつファミリー共有グループ化している子どものiPhoneでセーフティ通知を停止するという方法でも音を止められそうです。
借りた物に AirTag が付いている場合は、「セーフティ通知を一時停止」をタップして、「AirTag を検出」の通知を 1 日だけ停止できます。ファミリー共有グループのメンバーから AirTag を借りている場合は、セーフティ通知を 1 日だけ、または無期限で停止できます。
子どもがiPhone(ファミリー共有グループ化済)を持っていることが条件なので、結構ハードルは高いし、そもそも子どもがiPhoneを持っているならば「人を探す」機能でほぼリアルタイムで正確に位置が把握できます。もちろん子どもに許可をいただければ。
でも試してみないとなんとも言えないと思うので、早速子どもにお使いをお願いしました。
試したのは、近所の徒歩2分くらいのコンビニまで行って帰ってくるパターンと、徒歩10分くらい先の公園に先に行っていてもらうパターン。
ちなみに下の娘にとってお使いは、厳密には「はじめての」、じゃないけど、ほとんど一人では買い物には行かせないので、まだまだ見守りが必要です。
まずはコンビニですが、これはほぼ役に立ちませんでした。そもそもAirTagってリアルタイムで位置が反映されるわけではないのですね。iOS機能の「人を探す」では、何度か更新していればほぼリアルタイムでの場所がわかるものですが、「持ち物を探す(=AirTagの場所を特定する機能)」では、10分前など任意の時間からなかなか更新されません。ということで、娘がコンビニへ行って帰ってきても、AirTagの場所は自宅から動くことはありませんでした。
次に公園です。こちらもリアルタイムではないので、あまり役には立ちませんでしたが、移動を開始したな、くらいはわかります。だいたい10-20分くらいの時差(遅延)でしょうか。どの道を通って公園に行ったかの軌跡は(点情報なので)なんとなくではありますが分かりました。
表示された位置はそこそこ正確でした。現時点ではないものの、そこを通ったであろう場所を表示してくれます。まだ2回しか試してみていないのでなんとも言えませんが。「人を探す」は時々とんでもない場所にいることになっていたりするので、少し驚きです。
お使いは無事に完了しましたが、AirTagはやっぱり子どもの見守りには不向きでした。見守りという意味では(中古の安い)iPhoneを格安SIMや楽天モバイルで運用するほうがよさそうです。
じゃあAirTagは財布にでも付けようかなと思いましたが、gantenのL字ファスナーな薄めの財布には、AirTagはちょっと厚すぎたようです。コインを入れるところに収納すると少しもっこりしてしまいます。キーホルダーみたいにして付ければいいんでしょうけど、AirTagケースが本体並みに高いという。
なお、彼女が外出する際に半日程度AirTagを持っていただき位置の把握を試したところ、やっぱり「人を探す(彼女のiPhone)」の位置と、「持ち物を探す」の位置では時間差の関係でズレて表示されました。懸念していた音は発生せず、彼女のiPhoneに「AirTagの所有者があなたの場所を見ることができますよ」的な警告メッセージが表示されたとのことで(こっそりと荷物にAirTagを忍ばせて位置をトラッキングしようという悪巧みなどの)プライバシーにはしっかり対応しているようです。
また、大きな駐車場に車を停めた時、車内にAirTagを入れた財布を忘れてしまったのですが、かなり正確な位置を示していました。「正確な場所を見つける」機能(※1)により10m以内ならばかなり正確にトラッキング(場所案内も)できるので、車に放り込んでおいて位置把握は、かなり有用かと思いました。
※1 AirTagやiPhone11/12搭載のU1チップによる超広帯域無線(UWB)通信は約10mの範囲内で誤差の少ない位置検出ができるとされていて、つまりiPhone11以上であれば、この正確な場所を見つける機能が利用できます。
ということでAirTagは、Apple製品にしては3,800円という安めの価格で、かつ有用性もある楽しめるおもちゃだと思います。プレゼントにも最適、と言いたいところですが、これをプレゼントに貰ったら、これで位置を把握しようとしているのかしらと邪推されてしまう可能性もありますね。