IoTとM2Mとの違い
今回は、なんちゃってSEという立場で解説するITワード講座として、IoTをテーマにしてみます。わかりやすさ重視の軽いものですので期待はしないでください。
さっそくですが、IoTとはInternet of Thingsの略で、日本語ではモノのインターネットとか呼ばれています。あらゆるモノがインターネットを通じて接続され、そのモノやデータの活用が可能になるいった概念のことです。
おいおい、それじゃM2M(Machine to Machine)と同じじゃないか、と思われるかと思いますが、その通りなんです。厳密に区別をするのならば、
- IoT モノがインターネットに接続され通信すること。モノが通信する相手は人間でもコンテンツでもモノでもなんでもよい。
- M2M モノとモノ同士が自立的に通信すること。人間が介在しないパターンが多い。
といった感じになりますが、意味的にはIoTの概念のなかにM2Mの概念も含めれているし、M2MよりIoTのほうが新しいワードなので、IT業界ではIoTだけ覚えておけば間違いないでしょう。結局のところ、人間だけが能動的にインターネットへ接続しにいかなくなり、モノだってインターネットを使って通信しちゃうよという意味ではどちらも同じなんです。
再度、IoTを定義すると、「あらゆるモノがインターネットに接続されることにより、モノが能動的/受動的にデータをインターネットに送信する。そのデータを活用して、新しいビジネスを提案していきましょう」ということになります。(特にIT業界的には)
概念ばかりだとわかりにくいので例を挙げてみましょう。
例えば、IoTの概念にしたがって、”自転車”をインターネットに接続してみましょう。
まずはどんなデータが活用できるのでしょうか。
- 自転車本体の情報(製造メーカーや製造年月日)
- 自転車に装着された部品の情報(製造メーカーや製造年月日)
- 自転車や部品の消耗状況(ブレーキパッドやタイヤの摩耗、潤滑油状態)
- セッティングの情報(シートの高さやハンドルの位置、タイヤの空気圧)
- 利用状況(利用者の体重、速度やペダルのケイデンス、ペダルの踏む力、加速度、振動)
- 環境状況(位置情報や高度、勾配、気温、湿度、風速、風向き)
こんなデータがたくさんの自転車毎にインターネットへ送信され、取得出来たら、どんなことに活用できるのかが次の課題です。
- 部品毎の耐久年数がわかり、交換の時期をサジェストできるようになる
- みんなのセッティング状況のビッグデータから自分の体型にあった最適な自転車がみつかる
- 峠など場所や状況毎にキツさが数値化され、効果的なトレーニングができる
もちろん、取得可能なデータはこれだけじゃないし、活用方法なんてもっともっとたくさんあることでしょう。で、これが大変重要なのですが、このようなIoTの実現は未来の話じゃなくて、今ある技術でも充分可能だということです。もちろん技術の話でコスト面は度外視していますが、低コストになるのは時間の問題でしょう。だから最近(!?)、IoTという言葉が流行っているのでしょう。
ちなみに自分はこちらの本を読んで、IoT/M2Mを理解しました。自転車の例もこの本に載っていたものをアレンジしたものです。
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ここまでで、IoTの解説はおしまい。ここからはIoTを利用した最近自分が考えているサービスについて紹介します。
会社でマイボトル(ステンレスマグやタンブラー)を見かける事が多くなったのですが、あれって飲み物温度が保てて最後まで美味しく飲めるし、容器を使い捨てしないエコな感じもあっていい感じだと思っていますが、欠点もあって、洗うのがとても面倒だし、マイボトル自体は軽いけど中身を入れると持ち運びには重いです。
そんな欠点を解決するために、ステンレスマグも喫茶店側が準備するのはどうでしょう。
月額300円くらいでマイボトルを貸し出し、お店に持っていくと、洗浄してくれた上で、飲み物を入れてくれる。お店側はボトルをRFIDで管理する事で、このサービスに加入しているボトルかが判断できるし、逆に他のお店に持って行きにくくなりリピートにもつなげられる。ユーザは洗う事から解放されるし、家から飲み物を入れて行かなくても目的地周辺で飲み物が追加調達できるのだ。容器代分少しお安く飲み物が帰るとなおよいです。
これだけでも自分にとってはうれしいサービスなんだけど、IoTの概念をプラスすると
- 温度センサーと組み合わせて、お店以外でどんな飲み物を入れたかどうかのデータを取得→クーポン発行などで顧客にサジェストできる
- 飲料の減り状況から、水分取得が足りているか判断し、リアルタイムでそろそろ水分補給したほうがいいよとサジェストできる
なんてことも考えられる。これ、セブンイレブンかドトールあたりで実現してくれないでしょうか。さらにステンレスマグ洗浄マシンとか作ったらお店に売れるんじゃないでしょうか。
ということで今回はIoTをテーマに書いてきましたが、どうでしょう、IoTで世の中がもっと便利になるような気がしませんか?そう思ったとしても、特にIoTという言葉に踊らされる必要はありません。結局ITワードというのは新しそうな概念をキャッチコピー的に使っているだけであって、アイデアというのは概念にとらわれる必要はないのですから。