読書感想文の季節
読書感想文の季節ですね。
本を読む行為は、小さな頃からなんとなく続けています。
読書は、知的な印象を与える趣味ですし、本当に知的好奇心を満たしてくれることもありますし、なんといっても読書という行為自体がクールな感じがするからです。
また、休日等ダラダラと過ごしているときに、本を読まなければという謎の強迫観念に襲われることもあります。
(活字の場合、手っ取り早い勉強チックなもの、という意味合いも大きいのかと思います)
ちなみに読書を続けていくために重要なことは、(小説であれば)楽しめたのか、(ビジネス書であれば)モノにできたのか、とか、費用対効果はあったのか、とか、そういうことはなるべく考えないようにすること。
活字と向き合っているという知的でクールな自分、というイメージを大切にすることが重要なのです。え。
さて、読書感想文。
どんな本であれ、振返ることは重要です。彼女にどんな本だったのかと聞かれて答えられる程度には、内容を理解したいと思っています。そのための、振り返りの読書感想文。
自分は、読書感想文を書くことによりブログも書けるという打算的な部分もありますが、そもそも読書感想文自体が嫌いじゃないと思っています。
(読書感想文が好き、とまでは言いません。恥ずかしいので。書くことは好きだと思っています)
小学生のころ、一度だけ、読書感想文で褒められたことがあったのです。
特に賞をいただいたわけでもありません。
読書感想文のうち、1行か2行、自分の書いた意見が、独特でよいと、みんなの前で担任の先生に言われただけです。
自分にとって、自分は感想文が得意なんだと勘違いさせるには充分な出来事でした。
人と違うことを書けば良いんだと、どんどん打算的になっていったりもしてしまいましたが。そして賞は取れなくてがっかりもしましたが。
(そして、もしかしたら、もう一度、先生に褒められたいと、このブログを書いているのかもしれません)
それでも読書感想文を考えようとすると、読んでいただけでは気づかなかった何かに出会える可能性もあるのです。
だから、子供にも読書感想文を嫌いにならないでほしい。
夏休み、子供が読書感想文の宿題をやり始めて、結構口を出したくなることも多いです。
文章の意味が分からないから、こうしろ、ああしろ、といってしまい、さらには単純な言葉から耳触りの良い言葉へと誘導しようとしてしまいます。
(そして、ちょっとでも独創的な表現を使うと大げさに褒めちぎったりもします)
読書感想文のポイントの一つとして「なぜ面白かったのか」を考えるというがあります。
なぜ面白かったのか。そんなことはなかなか言葉にできるものではないです。
大人になってひねくれてしまったのか、自分のボキャブラリーではなかなか自分の心の機微を表現なんかできないと思っている節もあります。
例えばドラクエはなぜ面白いのか。これを簡単に説明できる人は読書感想文なんてスラスラと書けてしまいそうです。
しかし自分や自分の子供には、なぜという部分を言葉で表現するのはとても難しいです。
なぜの部分をそれっぽく筋道だって説明できるか、なぜの理由をどんどん深堀して考えられるかがポイントだと思っています。
風が吹いたら桶屋が儲かる的な発想で強引に道筋をつなげていく、というのはわかっています。例えその筋道がフィクションであっても。
例えばドラクエはなぜ面白いのか。
- ×レベルアップするのが面白い
- ○なぜレベルアップするのが面白いのか→敵を簡単に倒せるようになるから→なぜ簡単に倒せるようになると面白いのか→HPやMPや道具を温存することにより遠くへ行けるようになるから→なぜ遠くへ行けるようになると面白いのか→新しい敵や武器等新しい世界が広がっているから→なぜ新しい世界が面白いのか→現実ではあまり新しい事や刺激がないから
などと誇張してなぜなぜ分析を行うのです。
と頭ではわかっているのです。
でも、自分も自分の子供もできない。なぜなぜ分析をしても、連想ゲームをしても、本当に自分が思った感想なのか、それとも教科書に載っていた(みんなとおんなじ)回答なのか、わからなくなるのです。読書感想文の才能が、ある意味自信が、足りていないからかもしれません。
(本当は言いたいことはこんなんじゃない、とわかっているのかもしれません)
とにかく、宿題としての読書感想文は原稿用紙を何枚か書き上げなければなりません。完成までには親子ゲンカを経て、多少の嘘を織り交ぜつつ、大量の消しゴムカスを発生させたりして、相当のの辛さを伴います。もちろん達成感はありますが、読書感想文を嫌いにならないでほしいという願いは、もしかしたら難しい事かもしれません。
(大人になって、やらされている感じがなくなれば、自分のように嫌いじゃなくなるかもしれません)
読書自体は好きになってくれているみたいなので、それだけは、救いです。
(振り返ってみて、やっぱりこの本好きだ、と思ってくれたかもしれません)
今年も読書感想文の季節が終わりました。子供とのケンカの矢面に立ち、子供の意見をうまく取り入れつつ意味不明な部分を無くした文章に仕上げた彼女と、大きなミスに気づき、泣きながらも大量の修正を完成させた子供は、よく頑張りました。