人工知能(AI)って何

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黒目川夜

AIってなんとなく理解はしているつもりでも、説明するのは難しい言葉だと思います。

昔からある言葉で、流行り廃りはありましたが、いつかは実現する技術なのは確かでしょう。今回は、AI(Artificial Intelligence)というワードを解説していきたいと思います。

AIとは

AI(人工知能)と一口で言っても様々な分野があります。一般的にはロボットのような、「知能があるような機械」がAIっぽく言われることが多いのですが、どちらかというと「人間の知的な活動を真似する」のが人工知能の研究になります。ここでは特徴的な分野を3つほど紹介します。

  • 推論

ルールをインプットすることで矛盾のない最適な答えを導き出すための手法で、囲碁やチェスをコンピュータに相手をさせるのはこの分野になります。知識(ルール)をもとに新しい結論(最適な答え)を得るのが推論ですが、人工知能は、知識(例えばチェスの盤上の状態も知識の一つですし、キングをとったら勝ちというのも知識の一つ)をいろいろ組み合わせて、次の一手である、新しい結果を導きます。

  • 機械学習

収集されたデータの中から規則や法則を見つけだそうとする手法で、統計学に基づいたレコメンドとかの分野と関連が深いです。機械学習というと勝手にコンピュータが勉強してくれるイメージがありますが、膨大なデータから将来使えそうな知識を見つけることが機械学習となります。そう言った意味でデータマイニングと関連が深いです。

  • 自然言語処理

文章や言語の認識、分析、生成を行う手法で、口語や文章などの意味を解釈させて、会話をしたり、別の言語に翻訳したりします。日本語だと形態素解析が複雑で「すもももももももものうち」などを「スモモ/も/桃/も/桃/の/内」などの単語分割して意味を解釈させます。また「結構です」などは文脈によって解釈が異なる言葉も扱いが難しいですが、機械学習などと組み合わせることで正確な解釈に近づけることが可能となります。

これ以外にも音声認識や画像認識、ニューラルネットなどいろいろな分野がありますが、どれも人間(もしくは生物)の知的な活動を基に研究されています。

ちなみに「ロボット」とは、機械に人工知能を搭載することで、様々な分野の人工知能を組み合わせることにより、機械(ロボット)の振る舞いを決定します。

こうなると、人間の真似をするのがAIと思われがちですが、人工知能はすでに人間よりも優れている部分もあり、記憶力を活かした分野などは人間よりも正しい判断ができるとも言えます。逆に、空気を読んだり、想像したりなどの感性に頼るものや、あらゆる課題に対応する汎用的な能力などはまだまだ人間に方が優れているとも言えます。

AIでできること

AIは研究途上の分野ではありますが、すでにできることはたくさんあるし、活用もされています。でも決め手となるようなキラーコンテンツはまだ出てきていないというのが現状です。

  • 実用化済みの活用事例

インターネットの検索エンジンやAppleのSiri、Googleの音声検索や音声入力機能、ルンバのような掃除ロボットなどが身近な活用事例でしょう。ソフトバンクのPepperのように、人型ロボットもあるが、中身はアプリ次第なので人工知能かどうかは人によって評価が分かれるところです。iPhoneを人工知能と呼ぶのだろうか、みたいな話です。

  • 実用化される活用事例

医療、特に健康診断の高度化や車など自動運転、ニュース原稿の自動生成などは、もう実用化段階まできているようです。このあたりからAIが人間に代わって人間以上の仕事をしてくれるようになってくれる感じがします。

  • 自動化

AIと同列に語られることが多いキーワードの一つに「自動化」があります。自動運転とかまさに、って感じですね。機械が人間の代わりに仕事をしてくれるようなイメージで、人間の(汎用的で総合的な)判断を機械ができるようになれば、あらゆるものの自動化は夢ではありません。でも人間が想像する以上に、汎用的で総合的な判断は基準が曖昧で、かつなかなか言語化できないものなのです。

自分は出口から考えると、AI化はやりやすいと思います。例えばコールセンターは電話でお客様の多種多様な声が入ってきますが、出口(電話を切るタイミング)としては、お客様の課題を終了した時だと考えます。お客様の課題を終了するために会社ができることは何だろうと考えて行きますが、会社がお客様へ提供できる事は限られます。課題を終了させるための提供できる手段を洗い出し、その手段に至るまでの条件や経緯(お客様の声)を人工知能で分析させることにより、ある程度機械に任せることができるのではないでしょうか。

もちろん、多種多様な声の中には自社への貴重なご意見みたいなのが含まれていると考えると、それが聞けなくなるデメリットや、そもそも解決するための手段が本当に与えられた選択肢の中だけで良いのかは考える余地があるとは思いますが。(新しい手段をAIがレコメンドできるようになったら経営陣すらいらなくなる世界が来るかもしれませんね)

自動化を考えるときに、自分ならどう考えるのだろう、という判断ポイントがあってそれをプログラミングします。自分以外ならどうするのだろうみたいな集合知を活かしたほうがより正確な判断になるし、判断ポイントとして今までの経緯や状況の変化など様々な変数を増やせば増やすほど正確さが増すと思われます。そんな時にビッグデータのような過去の判断事例は役にたちます。この出口まで持っていくためには、どのような状況証拠が揃えば良いのか、そんなアプローチができれば、自動化も可能でしょう。あとは屈強なコンピュータを用意するだけです。クラウド上にはすでに準備されているようですけどね。

最後に

AIはFinTechやIoTと同じように結構流行っている言葉の一つだと思います。ただ、AIという言葉の定義が、あまりに汎用的であるがゆえに、ちゃんと理解できていないと少し不安になります。あくまでAIを利用してXXしたいという意思がなければ、静観していて良いとは思います。

ただ、新しい技術は、新しいアイデアを考えるきっかけになります。いつもの言葉ではありますが、AIとは、要はアイデアの出し方の話なのでもあるのです。

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