惰性で働かないために、ワークシフト。
秋の夜長は読書でしょう。ということで、生きていくうえで大半の時間を費やすことになる働く事についての本を読んだ。これは比較的近い未来社会を想像して、働き方がどう変わっていくかを説明した本だ。
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未来に向けて3つのシフトが必要、と説く本書。自分なりにその3つを纏めてみました。
SHIFT1.ゼネラリストからスペシャリストへ
安い労働力には敵わないし、コンピュータに取って代わられる仕事も増えてくる。自分はたくさん給料が欲しいけど、同じ給料を払えば途上国の優秀な人材が雇えるかもしれない。ボーダレスが進む世界ではどんどん浅い仕事(乱暴な言い方をすれば簡単な仕事)はコストカットされていくので、自分に給料を払ってくれる企業はなくなっていく可能性がある。
なぜか。浅い知識はクラウドから比較的容易に入手可能だからだ。自分ならではの価値がないと、世界競争で余裕のない企業は自分を切っていくしかない。もっといえば、自分ならではの、業務に特化した知識など、一つの専門的な知識を手に入れても、世界は業界はどんどん変わってしまうので、常に変化についていく努力は必要。これを連続スペシャリストという。世界規模での競争の中では、差が見えやすい。常に気を張っていないとダメなんて息苦しいけど、あるべき姿なんだろうな。
少なくても、自分がやっている仕事で、何か一つは、まわりに負けない詳細な知識を持っておくべき。
SHIFT2.クラウドでつながる仲間と、リアルの必要性
ビッグアイデア・クラウドという言葉が本書にでてくるが、”みんなの意見は案外正しい”とか”クラウドソーシング”の本の内容。集合知は何よりもパワーがある。未来はネットワークの強化により知識を集合することが容易になり、そのパワーを活かすのが主流になる。数を集める事ができれば、最強。
それとは別にポッセという、もう少し身近な、かつ頼りにできる友情にも似た関係もある。顔もわからないクラウド上の関係とは違い、少人数でも信頼できる仕事ができる。一瞬、”小さなチーム、大きな仕事”の話かと思ったがそうでもない。今まで築いてきた信頼関係のなかで、困ったときに手を貸してくれる人がいるのであれば、それはとても大きな財産なので、頼り頼られなさいという話。この関係も重要。
また家族や友人との心が休まる関係も必要。今以上に気を抜く事ができない未来の仕事。その仕事の延長だけの関係では疲れてしまう。もっとも、未来はオンとオフの区別がつかない方が成功しやすそうだが。
SHIFT3.比較的から絶対的な感覚へ
最後のシフトは一番難しい。完全に自分の解釈になってしまうが、本書は、モノを所有したり消費をしたりする幸せから、何か創造したり質の高い経験をする幸せへシフトするのがよいと結ばれているが、幸せを比較をするとなると前者になりがちである。自分ならでは幸せをわかっていないと、後者でも物足りないと思う。他者に影響されない絶対的な幸せの尺度が欲しいところだ。
先ほどの給料の話も、そう。企業としては評価の結果を給料や役職で伝えてくるが、そもそも消費するための給料がすべてなのか。2012年の今現在は、働くことはお金を稼ぐ事とほぼ同義だが、その考えは緩やかにシフトしていく可能性がある。その先にあるのは素敵な未来だろうか。
おわりに
なかなか読むスピードが上がらず、飽きてしまった部分もあった本だったけど、読んでよかった。2025年に向けて、むしろもっと早い時期に読みたかっ たかも。素敵な未来は約束されていないけど、今から準備することで、キラキラ輝く未来を手に入れられる可能性は高い。