BORN TO RUNとEAT&RUNを読んで

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ランニングをする人、特にトレイルランやウルトラマラソンなどを走る人にとっては、すでに常識となっている本かもしれませんが、少し前に世界中でベストセラーになった「BORN TO RUN 走るために生まれた~ウルトラランナーVS人類最強の”走る民族” 」を紹介します。

自分は、人間てとても汎用的な生き物だと思っていました。短距離を速く走る事も、長距離を走る事も、デスクに座り続ける事も、店頭で立ち続ける事も、歩き続ける事も、泳ぐ事だって、訓練すればできる。逆に他の生物は、生きる事と子孫を残す事がとても重要なので、能力特化型なのかなと漠然と思っていました。

なので、走る事だって頑張れば、それなりに速く楽に遠くに行けるようになると思っていたのですが、この本を読んで、少し考えを揺さぶられました。人間は長距離を走るように作られているんだって。

人間が、走るために生まれたというしつこいくらいの科学的な根拠や、ランニングシューズの過保護が産んだ足の退化の話は、ホカなど厚底のトレランシューズが流行っている今を知っている自分としては若干飽き飽きもしたのですが、筋は通っています。人間は汎用的な生き物だと思うけど、走る事はことさら得意なのかもしれません。

だって、自分も走るの楽しいと思えますもん。たまたま最近トレイルランをはじめましたが、速攻でハマりました。でも正直、走っている大半の時間は、しんどいだけです。楽しいと思える時間は、本当に少しの時間。もしくは走り終わった後だけ。まだまだ愛が足りないのかもしれません。胡散臭いけど、最後は愛なんです。

ストーリー展開も面白かったです。特に最後の、コッパーキャニオン(銅峡谷)での勝負は、登場人物それぞれのバックボーンも紹介されていて、魅力あふれるレースとなり、ぐっと引きつけられました。自分も大自然のなかを走りたくなりました。いつもの舗装路じゃなくて。そして過度なプロテクションやドロップ差があるシューズは少し避けたくなりました。

本を読んだ後に、こちらこちらの記事がオススメ。写真とともにコッパーキャニオン(銅峡谷)の冒険を振り返ることができるし、いろいろと考えさせられます。

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次のオススメ本は「EAT&RUN」。先ほどのBORN TO RUNに登場し、コッパーキャニオンを走った主要人物のスコットジュレクの半生を描いた自伝。数々のレースのエピソードが比較的あっさり書かれているんだけど、内容がとんでもない。

  • レース中、吐くのは当たり前。吐いてからが本当のレースだという
  • 骨折や捻挫でもレースを走りきるのはモチロン、優勝してしまう
  • ヴィーガンで、タンパク質も植物から取得している

人間は走るために生まれてきたのかもしれない。しかしだからといって走る必要はない。EAT&RUNは走る事の意味を考えている。何故走るのか。何故こんなに辛い思いをするのか。苦しさや痛みなどのその向こうに何があるのかある。いや、EAT&RUNは生きる事の意味を考えているのだ。

本のタイトルからすると、どちらかというヴィーガン(完全菜食主義者)を紹介する本なのですが、食べる事も含めて、考え方を含めて、生きるための本となっています。結構思慮深く、他人の事を考えている著者が、レースになるとライバルを罵る姿に、多少げんなりもしますが、勝負は勝負、いいところもわるいところもあるという姿に正直さも感じます。実直である事は生きる事で重要な事です。

レース中など時々苦しさや痛みの向こうに行ける事があるそうです。ゾーンに入る。悟りの境地。ロードバイク乗り的にはセカンドウインド。こちらも多少胡散臭いけど、実績を伴う男の口から語られると、凄く納得してしまう。そこはとても素晴らしい景色や気持ちのよい場所らしい。自分もみてみたいと思う。景色は本当の自然に飛び出せば見れると思うけど、心の景色は極限を超えないと難しそうですね。これを目標にするのも悪くないです。あと、健康のためにももっとたくさん野菜は摂ろうと思う。肉食はやめられないけど。

こちらの本はレース体験がたくさん載っていて、読みやすいです。子供の頃はそこまで速くなかった男が、どんどんとレースを勝って行く姿は、サクセスストーリーのようで楽しかったです。

どちらの本も、走りたくなるのは請け合い。自分もさっそく、ドロップ差が比較的少ないシューズを履いて10kmを走ってきてしまいましたが、やっぱりまだ苦しさが勝ってしまいます。走った後の今は、達成感やら、多少の思い出の美化が入って、また走りたいと思ってきていますが。2冊の本に共通して書かれている、走ることを楽しむことを忘れないようにしようと思います。

※BORN TO RUNは昔オーディオブックを購入し、フィットネス中に聞いていたのですが、途中で断念してしまいました。ランニングやトレイルランをはじめた今、再度Kindle版を購入して読むと、以前より楽しく読めました。オススメです。

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