トレランについて考えながら鎌倉天園ハイキング

トレイルランニングを楽しむにあたり、ハイカーの皆さんに不快な思いをさせないように気をつけなければなりません。

もちろんトレランに限った話ではなく、公共の場所では、自分が楽しんだり競技をしたりするために、他人を邪魔者扱いするようなことがあってはいけませんが。

自分もトレランを始めてから、山の中で多くのハイカーとすれ違っていますが、その際には走るのをやめて、挨拶しながら、追い抜いたりすれ違ったりしています。すると、大抵は好意的に挨拶を返してくれます。時にはこんなところを走るなんてすごいねって褒めてくれたりもするくらいです。

だから、トレイルランナーとハイカーは、共存できると考えていますが、高尾山や鎌倉ハイキングコースなどたくさんの人が集まる場所では、どうしても両者の間に軋轢が生まれてしまいます。

鎌倉トレイル協議会では、こうした軋轢を避け、トレイルランニングの健全な普及を目的に、ハイカーとも共生できるためのルール&ガイダンスを制定しています。その内容を抜粋してみましょう。

1. 人と自然に感謝しよう。
2. 挨拶をしよう。
3. 坂道はハイカー、観光客、親子連れが優先です。
4. すれ違うときは走らず、歩いて。
5. 後ろから声をかけない方がいいときもあります。
6. トレイル以外に足を踏み入れない。
7. ゴミはすべて持ち帰りましょう。
8. すべての責任は自分にあります。
9. 走らず、ハイキングを楽しむ時と区間。

注目すべきは最後の9項。「ここは走りません」と決めた区間があるということ。具体的には以下の日時と場所(区間)は走らないように決めています。走らずにハイキングを楽しむようにとのことです。

天園ハイキングコースのうち

• 半僧坊～天園（峠の茶屋）：通年／土日祝 10時～14時。
• 天園（峠の茶屋）～獅子舞～二階堂東電変電所：紅葉時期（11月第3週～12月第2週／終日。 浄智寺～葛原岡神社：通年／土日祝10時～14時。　

 なかなか画期的で、難しい決断をされたと思います。トレイルランナーに走るなと言っているのです。でもそれは落としどころの一つとしてはとても素晴らしいと思います。ランナーと歩行者では、ランナーのほうが年齢層が若いということもあって、どちらかといえば歩行者のほうが弱者でしょう。時間が経って、もっとよい落としどころが見つかるまでは、強者は弱者を助けていったほうがよいと思うわけです。

さて、そんなことが議論されている鎌倉。トレイルランのメッカであり、さぞかし気持ちのよいトレイルなんだろうなと思い、行ってみたいと思っていました。そしてルールを守りながら走ってみたい、とも。

ということで鎌倉にきちゃいました。実はもともとこの日は奥多摩に走りに行こうと思っていたのですが、午後から雨予報ということでエスケープのしやすい鎌倉に急遽変更したのです。

ルートは、JR鎌倉駅からバスで鎌倉宮まで移動して、そこからスタートします。今回は有名な天園ハイキングコースに大仏コースをくっつけたコースを走ります。

• 天園ハイキングコース：鎌倉宮〜瑞泉寺〜天園休憩所〜大平山〜勝上獄展望台〜延長寺
• 大仏ハイキングコース：延長寺〜浄智寺〜源氏山公園〜大仏隧道

天気があまりよくないので、見晴らしはそれなりでした。でも気温があまり上がらなかったおかげで走りやすかったのもたしか。

半僧坊には烏天狗がたくさん。結構カッコイイです。強そう。ここは延長寺の拝観料が300円かかりました。 

写真には写らないように気をつけましたが、平日にもかかわらずハイカーの皆山がたくさんいらっしゃいました。さすが鎌倉です。自撮り棒をもったカップルや学生も結構いらっしゃいました。

ハイキングコースという軽いネーミングや街から近場でアクセスしやすいということで、いろいろな人が足を踏み入れる場所と なっているようです。

トレイルはさすが、走りやすいです。ついついスピードを出したくなるところをぐっと抑えます。

自分的ゴールの大仏隧道。SUUNTOの時計によると、鎌倉宮から8.34km。時間は、お参りしたり写真撮ったりしたので参考になりませんが1:17になります。そしてなんとか最後まで雨には降られずにすみました。

ここから友人がやっているアンティークショップJOGLARに向かいます。突然の訪問だったのですが、コーヒーを頂き、そして長居をしてしまい、かつお土産までいただいてしまい、大人な対応をしていただき恐縮でした。フランスに買い付けいってきたところだということで、たくましいなと思いつつ、ずいぶん違う人生を歩んだもんだよなと笑いあいました。そうそう、彼のセンスはホンモノなので、ぜひWEBを、できれば実店舗を見て欲しいです。

ということで、今回の鎌倉天園ハイキングと大仏コースのまとめ。自分レベルでもほぼ100%走れるトレイルだったし、街からのアクセスもいいし、途中でエスケープもしやすい。曇っていたけど海を望む景色も良かったと思います。だけど人が多いし、それなりに負荷のかかるコースですがハードな練習は、ルール的に不可能だと思います。あくまで楽しむためのコースなんだなと思いました。

今後もトレランが危険な行為と思われないように、楽しみながら山を走り、歩きたいと思います。