岸辺のヤービを読んで

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彩湖

(岸辺っぽい写真を探したけど、今回紹介する本のイメージに合致する写真がなかったので、彩湖の写真です)

自分はいい歳をした所謂大人ですが、児童文学が大好きです。難解な表現が少なく、登場人物に素直に共感できる作品が多いからです。

子供が主人公の児童文学も多いのですが、自分の子供の頃の姿を重ねながら懐かしむような楽しみ方はあまりできません。シンプルなストーリー展開をワクワクしながらページをめくっていくのが好きなだけです。そういった意味では、自分は未だに空想の世界が好きな大きな子供なのかもしれません。

今回読んだ児童文学「岸辺のヤービ」は、雑誌でその存在を知ったのですが、挿絵がとてもファンタジーな世界感を現しているけど、落ち着いた大人が主人公ということで、その設定が自分の琴線に触れました。

期待しながらページをめくっていったのですが、あれれ、ワクワクはしませんでした。

それはヤービの世界の未来に、どことなく暗雲が立ち込めてきている雰囲気がそこかしこに描写されているからです。

でも素敵な本です。悩んだり、心配したり、思い切ってみたり、うまくいったり、空想の世界で様々な体験ができます。その中でも世の中に立ち込める暗い雰囲気をもきちんと描ききっている本書は、押し付けがましいようですが、ぜひとも子供に読んでもらいたい一冊です。

ちなみに本書は、なんとマッドガイド・ウォーターシリーズとしてシリーズ化するようです。

なるほど、これからあの岸辺がどうなっていくのか、ウタドリ先生の過去は語られるのか、どうしようもないと思われる環境の変化に適応するのか立ち向かうのか回避するのか、ヤービ達の幸せを願わずにはいられません。

期待通りの点もありました。ウタドリ先生は自分が理想とするような(昔はいろいろあったけど)落ち着いた大人の人でした。そんなウタドリ先生の視点から語られる世界なので、優しさを感じます。主人公はウタドリ先生だと読んだ記憶があったのですが、実際には、多少悩んでもお日様を浴びると元気になれる、こちらも理想の子供、ヤービが主人公でしたが。

本書は図書館で読んだのですが、シリーズ化するのであればなおさら、購入したいと思っています。子供と一緒に内容や感想を語るにはもってこいの一冊だと思います。

ただKindleで購入できないのが残念です。紙で伝えたい何かがあるのかもしれませんが。

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