タスク管理「再」入門

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やるおわ

皆さんはタスク管理を完璧にできていないですよね。

そして、タスク管理ができたら、きっと今よりも出来る人間になっているイメージがありますよね。

自分は過去にタスク管理に憧れて、いくつかの有料アプリに手を出してみたこともありました。お金を出したからには、頑張れると思っていたのです。

しかし、長続きせずに、というか「タスク管理をする」というタスクが消化できずに、挫折をしてしまいました。こうなると逆にタスク管理が嫌いになってしまいます。

タスク管理はダイエットと一緒で、成功者より挫折者が多い分野だと思います(atsuron調べ)。なぜなら、それをやらずとも、短期的には困ることが少ないからです。

仕事でもプライベートでも、日々繰り返される同じようなことは華麗にこなすことができます。でも長期的にはそれではダメなんです。変化の激しいこの世の中では、ルーチンワークを極めるだけでは、心の平穏は訪れることはないのです。

そうして、タスク管理の失敗者は、その成功者を崇め、妬み、それにあやかろうとするのです。

しかし歴史は繰り返し、タスク管理をやろうとするが失敗し、うまくこなしてきたつもりのタスク達が、いつの間にか消化できないくらいに貯まってしまい、さらには本当にやりたかったタスクは実行できないまま何の為に生まれてきたのだろうと哲学的な考えを浮かべては、一つずつ重要タスクを忘れていくのです。

そんな時に、読み物として『「やること地獄」を終わらせるタスク管理「超」入門』を嗜むことをオススメします。

始めに断っておくと、この本だけを読んで、タスク管理が出来るようになる、とは自分には思えません。

自分を含む万年初心者が大好きな話題である、具体的なアプリ名やその使い方が載っていないからです。何も考えずに手を動かしていればそのうちに覚えるという指南方法ではないのです。

でもタスク管理する意義は学べます。もう少し言えばタスク管理の考え方や心構えを学べます。

あと、タスク管理ツール(アプリ)の用語解説書としても使えます。最近はアプリを購入しても説明書がついていないのですが、この本を読むことでタスク管理系アプリ内の用語についてはばっちり理解できるでしょう。(具体的な使い方はともかく)

ちなみに自分なんかは本書の第6章の「タスク管理の道具箱 実行のためのメソッドとワークフロー」を読み始めた時に、待ってましたとばかりにツール名がわんさか出てくることを期待しましたが、あくまで手法の紹介だけにとどめているところに唖然としましたが、確かにタスク管理の考え方を説明し、タスク管理システムは自分自身が育てるものと思うとこれが正しい指南書だと思えてきました。誰かにとって正しいツールが自分にとって使いやすいとは限らないということです。使いやすいツールも1つとは限らずもしかしたら適宜使い分ける必要があるのです。

さて。本書が再入門に向いていると思った理由です。

自分は最近アジャイルという単語に結構敏感に反応してしまう仕事をしていますが、タスク管理もアジャイル的な考えが向いていると筆者は言います。つまりまずは小さなことからやってみて、小さく失敗して、それを小さく改善する。これを繰り返すことでじわじわといい感じにタスク管理が育っていくのです。アジャイルも大雑把に言えば、まずは試してみて、振り返りやフィードバックを得て、次にトライ、って感じですよね。つまり失敗前提なのです。失敗していないとなかなか改善の意味は見出せないですよね。

よくあるビジネス書の「まずはやってみる」は素晴らしい考えなのですが、タスク管理で失敗して弱っている人間には、「小さくてもいいから、ちょっとだけ改善してみようか」の方が心に響くような気がします。本書はそんな本です。

タスク管理でつまづいてしまった人は、ぜひ。

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