人間ドックと病院について

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初めて人間ドックを受診した。

検査自体は非常に苦痛だ。なぜこれをお金を払って申し込んでしまったのか自分でもわからない。

病院の少し不幸な感じのする独特な雰囲気が苦手だし、自分の自由が効かず精神的物理的に拘束されるのも怖いし、薄っぺらい手術着のようなものに武装解除された状態で権力の鎧に身を包んだマッドサイエンティストに立ち向かうのも不安だ。

特に血液検査。痛みはチクっとするくらいで済むのだけど、体に穴を開けられた感覚がずっと、1週間くらい続く気がする。お風呂で腕を洗うときにバイキンがそこから入らないか不安になっているだけなんだけど、ふとした時に呪いのように思い出される。

そして検査には時間もとられる。1日がかりだと覚悟を決めていけば良いのだろうけど、順番待ちでは、頼みの綱のスマホを断たれているので禁断症状が発症する。つまりイライラする。人間ドックに慣れてしまったであろう、死んだ魚の眼をしたいかにも不健康そうな中年の患者は、文庫本を読んでいて、なるほど紙の本ならば持ち込んでも良いのかと納得した。

自分はやることがないので、どんな本を読んでいるのだろうと盗み見をしていたが、背表紙にはカバーがかかっていたが、挿絵がラノベっぽかった。この重たい判決を受けるような雰囲気にはライトなノベルじゃないと太刀打ちできないのであろう。

そんな思いをして受診した人間ドックの結果が郵送で送付されてきた。

  • A:異常所見を認めません
  • B:軽度の異常が認められますが、日常生活に支障はないと思われます
  • C:日常生活上、注意を必要とします
  • D:再検査、または精査が必要です
  • E:経過観察が必要です
  • F:治療が必要です

こんな感じで、検査した体の項目ごとに上記のランク付けがされてくる。

自分は、週1くらいだけど運動しているし、タバコやお酒やギャンブルや女遊びはしないので、健康にはあまり不安はない。偏頭痛と臭いおならとヘルニアくらいが気になっているくらいだ。なので悪い結果は想定してなかった。

結果、総合判定、E。

オイオイオイ、健康優良児の自分を捕まえてE判定とは何事か。もしかして自分には関係ないと思っていた医療ミスってやつか。ラノベ中年の彼は少しお太り気味だったので自分と結果を取り違えてしまったのではないのか。

よくよく読んでみると、自分はほとんどの項目がA判定で、1つの項目だけE判定でした。しかもなんとなくD判定よりE判定の方が軽い病状な書き方な気がします。つまりE判定は次の検査で引っかからなければ大したことない、といった感じの判定のよう。自分が引っかかった項目は前日に激しい運動をしたりすると引っかかりやすい項目のようで、実際自分は前日に慣れないプールで、下手くそなクロールをバシャバシャしていました。

とりあえず、まあまあ健康であることが証明できたので、人間ドックに一定の意味は見出せたけど、次回は自分からは申し込まないと思う。

精神的にすごく疲れてしまうし、何よりそのお金で新しいランニングシューズを購入した方が自分にとって健康になれると思うから。

というのは健康な人の理論なんだろうな、と思う。

先日、娘がマイコプラズマ肺炎になって、入院しました。

3日間の入院で済んだのですが、小学生の親は一緒に寝泊まりはできないので付き添えるのは日中帯だけ。

点滴をしながらベットに横になっていて、ついつい昼間に寝てしまうと、眠れない夜がやってきて、さらにそこが病院だったりするのは本当に嫌だったようです。

高熱が下がって咳も比較的落ち着いた状態の娘は、面会終了時間前になると、なんで帰れないの?と切なくなるような訴えをあの手この手でしてきたものです。

当たり前ですが、1度大きな病気になると、事前の検査なんかよりもはるかに嫌な体験があったり、長時間拘束されたりします。

となると、親子揃って嫌いな病院にお世話にならないためにも、病気の兆候の早期発見はとても重要であるとも言えます。

現入院患者だって、ほとんどの人がまさか自分が病気で入院するとは思っていなかったことでしょう。

そういえば父もお酒は飲むけど、健康優良児でした。それでも突然入院生活になってしまったのです。

まさか、自分が。まさか、あの父が。

不安を煽るのは好きではありませんが、たまには我慢して健康の証明をしておいた方が無難なのでしょう。

でも、毎年人間ドックを受けるには、自分はまだまだ精神的に幼すぎるようです。

バランス的に3年に1度くらいの人間ドックで如何でしょうか。

※例によって、写真と本文の内容は一致していません。

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